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小寺 宣

曲の演奏は2段階で考えましょう

何か曲の弾き方を学んだとします。


例えばクラプトンのTears in Heavenの弾き方を学んだとします。


ここから上達は2段階でぜひ考えてみてください。




まず1段階目は完奏です。


つまり最初から最後まで下手でも、ミスしても、なんでもいいから【とにかく弾ききる】という事です。


まずは【とにかく弾ききる】事を目標に練習するといいと思います。


この段階でつまづくという事は、まだフレーズが体で覚えられていないという事です。


「覚える」練習が必要になります。




今回は話が長くなってしまうのでさらっとお伝えすると、「覚える」練習とは


・弾くフレーズを口で歌う


・歌えるようになったら、何度もギターで弾いて体の細胞に叩き込む


この2つです。






ではTears in Heavenを【とにかく弾ききる】事、つまり完奏ができるようになったとします。


ここで僕も昔そうだったんですが、ほとんどの方が話が終わってしまうんですね。



「よし、Tears in Heavenを弾けるようになった。さて次にどの曲に挑戦しようかな…」


ちょっとお待ちなさいと笑、ここからが今回一番伝えたい事です。






前に僕は、演奏とは鼓膜のマッサージであると言いました。


そのあなたのTears in Heavenは人の鼓膜のマッサージになっているのかを真剣に考える事で、あなたは頭ひとつ抜けるんですね。




僕の結論、演奏とは120%サービス業です。


自分が気持ちよく演奏できているかどうかなんてどうでもいいと、そこまで割り切ってしまいましょう。


奥様にかっこいいと思ってもらうためにとか、あの人に元気になってもらうためにとか、あの人にお酒をおいしく飲んでもらうためにとか、誰かの鼓膜を気持ちよくマッサージしてあげられているかが全てです。




自分事ですが僕の場合は、演奏の時にいつも意識するのは生徒様の事です。


レッスンでも、YouTubeで演奏する時も、生徒様にギターってやっぱりカッコいいよな、魅力的だよなと感じてもらえるように、つまり生徒様のモチベーションが上がるように鼓膜をマッサージする事をかなり意識しています。


あなたもあなたにしかできない、鼓膜のマッサージをぜひ考えてみてください。




これは上手い下手とかの話ではないんです。


誰の鼓膜をどんなふうにマッサージして、どう感じてもらいたいのか、これを考える事で演奏が劇的に変わります。


そしてそれを考える人こそがミュージシャンであると僕は思っています。

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